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長所伸張法が人材を育てる2 

20170815川上先生ブログ


 のちに、ある大企業の
社長になった人物は若いころ、

性格的にクセのある、
短気な人間だったので、

仕事熱心のあまり、
よく上司や同僚と衝突した。

自分で嫌気がさし、
先輩に相談したところ、

その先輩は
「君はこんぺい糖なんだよ」といった。


 「こんぺい糖には
イボイボのカドがあるように、
君にもカド、つまり欠点がある。

君はこのカドに嫌気がさし、
削ろうとしている。

そうすれば、まわりと
うまくいくんじゃないかと思って。
そうだろう」

「そうです」

「けれど、君が今、
そのカドをとったら、
『丸く』はなるだろうが、

その丸は小さな丸になってしまう。

それでは君という人間は
大きく伸びないだろう。

今はむしろ、欠点を直すことより、
長所を伸ばすことを考えるべきだ。

年を取れば、欠点は自然に直っていく。
そのとき長所が伸びていれば、
同じ丸でも、もっと大きな丸に
なっているはずだ」


 部下の育成法は、
このように長期的視点に立った
長所伸張法で行うのが
原則的には正しい。

多少のミスや欠点には目をつぶって、
長所を大きく伸ばしてやる
接し方が大切だ。

それは叱るよりほめる教育法、
厳しさで接するより温かさで
接することを第一義とする
人材育成法でもある。


 宮本武蔵は世に聞こえた
剣豪だったが、浪人生活が長く、
仕官するチャンスが少なかった。

なぜか。

 己の腕の修業、己の研磨にのみ
心をくだき、剣の上では、
他人を省みたり、人に温かく
接することが少なかった。

剣豪としては完全だったが、
指導者の面はあまり持って
いなかったのである。

 いうまでもなく、リーダーとは
指導者である。

仕事が出来、有能で
あるだけではよくない。
人を使い、人を育てられなくては
リーダーとしては務まらない。

つまり、自ら剣豪になるのではなく、
剣豪を育て、使いこなす
立場なのである。

 その育成法のポイントは、
人に温かい愛情で接し、
長所を伸ばしていく点にある。


(拙著:『リーダーの精神哲学』 1997年発刊 より)



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